大家業やっていると、いろいろな入居者が来てしばしば当惑させられることになります。
学生さんやOLさん、会社員くらいは普通なのですが、訳ありのちょっと『水商売系』の方や、明らかに『何らかの組織』に参画しておられる雰囲気の方など…
大家としては、なるべく満室経営したいのですが「この人はどうなのか??」と思う、微妙な人が来た時に、大いに思案することになると思うのです。
地味に真面目な雰囲気で、実は爆弾を製作している人とかも大いに困るのですが、見た目から「これはダメなのでは?」と思う人は上手く かわすしかありません。
客付け不動産にも、この辺りは念入りにお願いして置きませんと、のちのち大家が警察に呼び出されたり、警察に鍵を貸し出したり…
挙げ句の果てには、鍵を内側からキメられてしまって、警官隊が突入!などという、笑えない話も少なくありません。
物件が古くなってきますと、入ってくれる人は「もう大歓迎!」とばかりに、大解放したりすると、これまた思わぬ問題に。
生活保護なら、家賃保証が付いていますので、生活保護は歓迎!という大家さんもありますが、見極めが難しい所だと思います。
さて、タイトルにある「怪しい宗教団体の入居申し込み」に話が移ります…
・入居する際は、正体を明かさないのが普通
「宗教法人の○○です」と公言して入居申し込みをしてくるケースは、やはり少ないようです。
ある大家さんの経験を伺いました。
その代表者は宗教団体とは告げずに、入居申し込みに来られたようです。
宗教団体の人「雑誌で××にある物件を見たんだけど、申し込みができますか?」
大家「はい、大丈夫です」
宗「申込書を△△△-△△△△へ Fax して下さい。外出中なので、帰宅したら書いて返信します」
大「あの、内覧しなくて良いんですか?」
宗「入居の審査が通ったら、見に行きます」
こんなやりとりのあと、Fax で申込書が送られてきて、大家さんは審査をすることになります。
・普通の審査では、不審なところはなかったが…
大家さんは Faxを、隅々までチェックしました。
仕事はよくありがちな自営業らしく、別居中ながら会社員の父親に保証人の確認をするとスムーズに確認が取れました。
所得証明もみせてもらい、かなりの年収であることが分かり、普通に考えると入居者候補として申し分ないことになりました。
宗「入居審査は大丈夫でしょうか?」
大「まず、大丈夫だと思います」
こんな感じで、ゴーサインが出そうになっていたのですが…
・有り得ない展開が待っていた!
正式の入居可能の判断まで数日もらっていたのですが、ビックリすることが起きるのです。
「隣のポストに、郵便物があふれています!」と電話をくれたのは、物件の隣に住む奥さんでした。
慌てて物件に行ってみると、大量の郵便物がポストからあふれていました。
宛名は、申込書を Fax で送ってきた人物で、10名以上の差出人からの郵便物だったようですね。
まだ未契約なのに、既に住所を周知してしまっているようで、入居させるかどうするか、大家さんは迷います。
そこへ、審査を希望してきた人物が二人連れで大家を訪れます。
明らかに、通常とはかけ離れた風体であり、ここで大家さんは宗教団体の関係者だと気がついたと言います。
この後は、どうなったかは明かではなく、あまり特定の宗教団体をどうこう言うのは問題だと思います。
・では、どこで気づくべきだったのか?
順を追って整理をしますと、
① 物件に入居しようと言うのに、内覧をしないで決定、というのはちょっと不審ではなかったか?
② 入居する本人と会う前に入居審査をしたのも、ちょっと早計かも?
③ やはり書類だけで進めてしまったのも問題だったか?
ですが、最近の大学生とかですと、合格発表を知った親御さんが『ネット内覧』で、Fax だけで入居申し込みということも多いようです。
大家としては「満室経営しなくては!」と、はやる心を抑えつつ、気をつけなくてはならない所だと思います。
結論としては、やはり客付け不動産と上手に連携し、トラブルを未然に防ぐようにすべきだと思います。