不動産賃貸がトラブルなくうまく行くと会社を設立!どうなるか?

不動産投資 知識編

事業が軌道に乗り始めると『会社設立』『法人化』などというキーワードが出てきます。

「会社が設立されると、ええっ!自分が社長になっちゃうの?!」

「法人化とかすると、税金とかが複雑になったりして税理士さんとかを雇うようになるのだろうか??」

いろいろな疑問が次々とわいてきて、困ってしまう!ということになるかと思います。

この記事では、不動産賃貸がうまく行き始めたときに考える法人化について、書いてみたいと思います。

・個人ではなく、法人で運営していくとはどういうこと?

 

現在、自分は副業の大家としてマンション2室賃貸しているわけですね。

本業と合わせて、確定申告していると思ってほしいと思います。

現実的には、サラリーマン大家さんということで、肩書は何もなく『鈴木太郎』みたいな一個人のスタンスでやっているのです。

さて、不動産は「人とのつながりで運営されている」「誰から購入した物件かで成否が決まる」そんなことも書いてきました。

普通に不動産賃貸を運営していけば、あなたの周囲には沢山の人がいると思うのです。

不動産会社(客付け不動産、不動産管理会社…)、税理士、司法書士、電気工事関連会社、屋内水道関連会社などなど。

こうしてみると、それぞれのメンバーは、何らかの組織に所属しているのです。

めいめいが、会社を持っておりその一員として機能しているのです。

『○○会社 社長』とか『××事務所 専務』とかそういう『肩書』があると思うのです。

気がついたら、自分だけが『肩書』が無いのですね。

名刺に刷れる肩書はなく、一個人なわけです。

 

社会的なステータスのようなものが無いのですが、何か世間に評価されるような『身分』があれば良いのですが…

そこで、会社を設立してみたらどうなるのか?ということになるのです。

・実は、法人化は簡単にできるようになっている。

街を見回しますと『○○企画 主宰』とか『××マネジメント CEO』とか、何をやっているのだか?そう思う団体がよくあります。

どうやら これらは基本、設立された会社のようなのですね。

よく『法人化する』話とかがありまして、一般的なイメージとしては『税制上の優遇』を求めてやっているのだという印象があると思います。

平成15年(2003年)2月から施行された中小企業挑戦支援法により、新規事業創出促進法が改正されました。

その際資本金が1円から会社が設立されるようになり、簡単に法人化ができるようになっている話は、聞いたことがあるかもしれません。

では、法人化すると何が良いのでしょうか?

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・節税だけでなく社会的信用がアップする。

まずは、節税効果について書いてみましょう。

会社の形にすると、不動産所得が軽減されるのです。

個人で不動産賃貸業を行った際は、収入(主として家賃)と支出(主として必要経費)の差額が不動産経費になり、これに税金がかかります。

仮に収入の総額が1800万円、支出の総額が800万円とすると差額が収入になり1000万円となります。

分かりやすい例として、これで話を進めてみます。

このモデルを、個人でやっても会社の形でやっても収入は1000万円であることは変わりがありません。

会社の場合は『法人税』という形になるだけで、税金面では収入1000万円に対して課税が行われます。

ところが、法人形態の場合は1000万円の収入を役員報酬(すなわち社員の給料!)として支払うとすると、1000万円は支出となります。

結果的に、会社は1000万円を給料として支払った、ということになり会社の収入は0ですので、法人税は課されなくなります。

 

そうすれば、1000万円分の給料に税金が来るのではないか?という考えが起きますよね。

正解です。

・どんな感じで節税が起きるのか?

税務署は、こんどは1000万円の月給取りがいる!と1000万円の個人収入に目をつけて課税をするでしょう。

計算しますと、1000万円の役員報酬に対しては、220万円の給与所得控除が受けられます。

 

まとめて言うと、1000万円の収入だったのが、会社形態にすることにより、給与所得780万円に替わることになります。

かなり圧縮できたことがおわかりでしょうか?

なおかつ、家族を役員にした場合、さらに給与所得控除が受けられる仕組みとなります。

節税効果が一層大きくなるのですね。

前の収入1000万円の例で言うと、500万円ずつ2人の給与になったとします。

すると、2人合計で308万円の給与所得控除が受けられます。

収入がかなり圧縮されたのがわかるでしょうか?

課税される対象は、692万円(1000-308)となりました。

 

おおざっぱなイメージですが、個人でやるよりかなりおトクなイメージがお分かりいただけるでしょうか?

さて、節税効果は大まかにはお分かり頂けたかと思うのですが、今度は相続税対策についてです。

相続税なんてのは、相続させる 大きなものがある人だけの話なのですが、この際 おさらいしてみましょう。

先の法人化の話ですが、役員報酬という形で不動産所得を軽減すると、親世代に家賃収入がたまり続けて資産が集積することを防げます。

役員報酬を子供に行くようにすれば、家賃の収入の一部は子供たちの収入となりますので、お金が下の世代に行き渡ります。

すなわち、相続税対策にもなるのですね。

 

会社設立した場合の良いところばかりを書いてきたのですが、デメリットはないのでしょうか?

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・法人化した時の財政上の短所は?

会社として不動産賃貸をしているとした場合、デメリットは何なのでしょうか?

次のようなことが短所となります。

① 会社設立には費用がかかるのです。

資本金は1円でも良いのですが、設立には24万円前後(よく30万円くらい、と言われている)がかかります。

合同会社になっても6万円くらいはかかります。

② 会社の運営費用がかかります。

会社となりますと、適当なドンブリ勘定ではいかなくなります。

家計ですと、家計簿は適当で収支が合えばよいのですが、そうは行かないのですね。

個人の所得税申告などより、きちんとした会計管理が必要となるのです。

経理や税務の知識は税理士などの専門家にゆだねることになります。

すると、専門家を雇う費用が必要となります。

 

また、法人には住民税がかかり、これは法人が収入が無くても赤字でも必要となります。

金額は均等割りで最低7万円ですので、あまり家賃収入が少ないときに法人化するとかえって支出が多くなってしまうのです。

要するに、これらの手間賃を支払ってもプラスになりそう、と思えば法人化すればよいということになるのですね。

・社会的な信用もアップする。

こうして法人化すると、晴れてあなたは社長!ということになると思います。

社長の肩書があると何が有利になるでしょうか?

「何だかわからないけど、不動産業らしいよ」

こんな感じで言われなくなり、れっきとした会社の一社員ということになります。

 

出所のわからない収入は社会的な信用がなく、自由に使えない印象なのですね。

例えば、ライブドアがプロ野球に乗り出す話がありましたが、プロ球団を運営してきた側としてはその信用問題をかなり気にしていました。

本当に、従来やってきた球団の親会社と肩を並べられるくらいの『格』のようなものがあるのか?

親会社が、長くやっていけない、例えば倒産してしまったりしても、球団が困ります。

ライブドアは、収入面では、他社と同等な額があったのだと思いますが、それだけではダメなのです。

球団が結構な赤字を抱えることになっても親会社はビクともしない、そんな安定感が求められるのです。

プロ野球ですと、親会社が疑わしいと、どうしても野球賭博などの不正な操作の元凶にもなるので、かなり信用が重要らしいのです。

一度、雰囲気が悪くなると、プロ野球という業種そのもののイメージも大幅にダウンしてしまうので、やはり警戒されてしまいます。

また、読売などの既得権益を持つ連中も何となく煙たい雰囲気を出していた気もします。

 

まとめて言うと、ある程度金額が大きくなれば、やはり法人化したほうが何かと得であるということになります。

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