大家さんになる際に、賃貸物件の場所選びは重要なポイントです。
物件の付近に大学があったりすると、学生さんの入居者が期待できる!と意気込んだりします。
ですが、そこは学生さんならではの事情があって、思うようにならなかったりすることもあるようですね。
私の知っている、地方でマンション経営をしている大家さんの話を書いてみます。
・同学年ばかり 一気に10人入居があった!
さる地方の医科大学(単科の医科大学)のすぐそばにマンションを建てた方があります。
医科大学の学生さんがこぞって入居してくれるのではないか?と期待していたようです。
3月開業を目指して工事の計画も立て、新学期の入居を期待して、マンションをオープンさせました。
仲介業者の多数回り、営業活動も怠りなく努力していたところ、その年度の合格発表の直後からドンドン入居者が埋まり10人にものぼりました。
さながら、その医科大学の寮みたいになったのです。
「医科大学と言えば、真面目な学生さんばかりだろうし、6年間入学が継続するとしたら、当分安泰だ」
大家さんは、そう思っていたようでした。
さて、同期に入居した医学部の学生さんたちのその後はどうなったかと申しますと…
・同じ大学はちょっとイヤという事情
半年くらいまでに、半分が退去してしまい、卒業まで居続けられた人はなんと1人のみ。
(但し、その学生さんは留年したので、何と8年入居していたようでしたが…ちょっとトホホな話ですね)
では、なぜ退去が早かったのでしょうか?
やはり、同じ大学ばかり、しかも同じ学年となるとプライバシーがなくなってしまうのです。
夜間、例えば彼女が遊びに来るなどの状況もすべて大学側に広まってしまうなどのトラブルがあったようです。
人の目が多く、まるで週刊誌のカメラマンが待ち構えているような状況では、入居継続が難しかったようです。
ついでながら、さる病院の理事長が、看護師や看護学生向けのマンションを建築しました。
病院に、単身者で就労する人を増やしたい、というつもりでワンルームマンションを建築されたのです。
病院内でのアンケートでは、価格帯と物件レベルでは、大人気のようでした。
そして、開業後半年を迎えた頃に…
先の医科大学の近くのマンションのように、ぼつぼつと退去者が出始め、開業後はすぐに埋まった入居者はこぞって退去し、常時 半分入居がやっとということになりました。
マンションの詳細は聞いていないのですが、1DKでまさかあの値段!というぐらいのレベルだったのです。
誰もが喜んで入居するレベルだったと言いますが、女性限定に絞ったのも良くなかったのかもしれません。
その後は、一般にも賃貸するなど苦悩の運営だったと伺っています。
・大学の学生課に物件紹介をお願いする裏技がある!
その昔ですが、大学の学生課に物件紹介をお願いする話がありました。
学生課長さんなどを飲みに誘って「ああ、あの大家さんなら安心!」そんな評価をもらえればこっちのもの。
大学とは長いつきあいとなり、時にはトラブルに見舞われつつも、順調にアパート経営ができていた時代もありました。
「××荘は大学の寮みたいなものだから(笑)」みたいに、とにかく馴れ合いと言われようが何といわれようが、大学とともにやっていく、やっていけた 平和な時代もあったのです。
ですが近年では、そんな社会風潮がなくなり、学生さんは個別に住むことを望む時代となったようです。
それでも、空き物件がありましたら『学生向け』と称し、良心的な家賃設定ができるのが条件ですが、学生課に持ち込んでみる価値はあります。
ニーズはありますので、下手な営業マンに頼むよりは期待できるかも知れません。