大家は案外、自分の物件のことについて無知なのです。
自分も先に述べたK不動産に任せきりというか、内部の事情を知らなかったりしたことがあります。
K不動産からは、空室になった際に、なるべく内部を見てもらったほうが、とお願いを受けたりもします。
周辺のリサーチも大切ですが、マンションでしたら、特に内部の状況について知っておいたほうがよいと思います。
理想を言えば、空室になったときには、必ず一度は入ってみて、デジカメやスマホで画像・動画を撮影します。
できれば、同じような天候の 同じような時間帯に撮影するように工夫しましょう。
そんなときに気を付けるポイントとしては、どんなことがあるでしょうか?
まずは、内部をチェックしてみましょう。
部屋の床面やクロス(壁・天井部分)の古さや傷み具合をチェックします。
床面は、空室になった時しか、全体を見ることはできません。
状態調査をするには、空室になった時がベストであるのは間違いありません。
そして、入居しているときと、空室になった時では印象が異なることもあります。
第三者を伴って見直すと思わぬ発見があるかも知れません。
「古い部屋なんだから、これぐらいは許されるだろう」
そんなことをオーナーが思っていても、お金を支払って入居を考えているほうからすれば、許せない!
こういうことで、いつまでも空室になって放置されているのかもしれないのです。
できれば、細かいことに気が付くような人を連れて、男性なら女性に評価してもらうとか、子供さん、孫さん、知り合い…
違う視点で見てもらうことを強くお勧めします。
大家は、とかくケチな視点に偏りがちであり、そのためユーザーの利便より自分の都合を優先しがちとなります。
入居希望者・内覧者の視点になるべく近い見方をする、客観性の高い人を伴うと良いでしょう。
マンションに限らず、アパートについても同じことが言えますが、周辺の環境も見て回る必要があります。
エントランスや駐輪場、駐車場などの状況は、入居者にとっては大変気になるところです。
「鉄製部分の塗装はがれ古く見える、外観が悪くて危険である」
「土の部分が花壇なのか?見栄えが悪い」
「ホコリがたまっていて、汚らしい」
「壁に大きなヒビ割れがあり、何だか危ない雰囲気がある」
周囲環境は、視覚だけで評価してよいものばかりではありません。
「周辺に、生活に支障をきたすような臭気を発生させている町工場がある(臭覚)」
「駅・道路に近いことをセールスにしていたら、結構騒音が気になることがある(聴覚)」
こんなところにも注意をして見ていく必要があるでしょう。
五感をフルに働かせて!と言えば、かなり大げさな感じもありますが、入居者にとっては我慢しがたい部分かもしれません。
夜間、人気がなくてとても心配、などは女性入居者なら痛烈に感じるところではないでしょうか?
建物周辺だけでも常夜灯をつけるなどの工夫が必要かも知れません。
(近隣に夜間、事件などがあると、所轄警察の生活安全課などから指導があることもあるようです)
近年、幼稚園や小学校も騒音源とみなされ、幼稚園が建設されるなどの情報があるだけで、近隣住人から反対運動が起きることさえあります。
宅建業法では、低層住居専用地域には病院の建設は原則できないことになっています。
病院が近すぎて緊急車両の出入りで、夜間は不穏な空気が漂うなどという苦情もやはり多いようです。
結論として、やはり入居者の立場に立って、可能な限りの時間帯を検証してあげることが大切だということでしょう。