マンション管理について、知っているようで知らないところを書いてみます。
それは『専有部分』と『共用部分』の違いですね。
この違いは、おわかりでしょうか?
宅建の本試験などでは、案外頻出だったりするテーマですね。
例えば、マンションのドアは『専有部分』でしょうか?『共用部分』でしょうか?
ちょっとトリビアな話ですが、ドア本体は実は『共用部分』であることをご存じでしょうか?
そもそも、『専有部分』と『共用部分』の違いって何なのでしょうか?
定義から説明しますと、
専有部分とは…区分所有者が所有している部分のことです。
共用部分とは…管理組合が所有する部分のことです。
専有部分と共用部分は重複することはなく、よって専有部分を記憶しておけば、それ以外は共用部分と言うことになりますね。
いかにも専有部分に見えて、実は共用部分であるところとして、代表的なものにマンションのバルコニーや専用庭(=1階の部屋の窓の外のエリアなど)があります。
ここは「居住者に専用使用権がある共用部分」と呼ばれています。
(『専用部分』という用語もあります)
個人で専有して使用するので勘違いが起きやすいですが、管理組合の所有する部分となります。
よって、修繕も管理組合が担います。
従いまして、許可なくベランダ部分に物置をおいたり、タイルを敷いたりすると、管理規約違反になるので注意が必要です。
現実的に、掃除などの日常的な管理行為は区分所有者や貸借者など 居住者が行い、修繕は管理組合が行います。
では、こんなところは専有部分でしょうか?共有部分でしょうか?
鍵は紛失したら、居住者が自己責任で作らなくてはなりませんから、これは区分所有者の所有物ということになります。
鍵紛失は、やはり悪用が困りますので、鍵交換(鍵の取り替え)が必要となりますが、これも所有者の持ち出しとなります。
では、玄関外にユニットが付いている『給湯器』はどうでしょうか?
給湯器は、故障の際は 機器の交換・修理を区分所有者が行い、金銭を支払いますから区分所有者の者になります。
部屋のあかりの蛍光管みたいな扱いになっているわけですね。
最初の質問に戻りますが、それではドアの所有者は誰なのでしょうか?
ドアの話の前に、住居内は専有部分ですが、住居内の定義とは、何でしょうか?
住居内定義は『壁や柱などで四方を囲まれた内側の部分』ですね。
それですから『ドアの住居側の表面は区分所有者の管理』で専有部分になります。
また、ドア本体は、マンション建物の一部ということで、共有部分という判断です。
ドアの破損は管理組合に申し出て修理を受けることができます。
だから、玄関ドアのデザインを勝手に変えたり、取り外したりすることはできません。
ドアの鍵は、区分所有者の管理しますので『専有部分』の解釈となります。
この辺りが、ドアのちょっと微妙な『立ち位置』ということになるでしょうか?
ドアが共用部分と言うことになりますと、窓ガラスは?
当然、建物の一部ですので『共用部分』となります。
玄関ドアと同様に、勝手に塗り替えたり、広告を表示するなどは、マンション全体の美観を損ねることになります。
時に、マンションの窓ガラスなどに内側から、紙に大きな活字であれこれとメッセージを書いてあったりしますが、マンション管理的にはダメ!ということになります。
建物の外観保全という観点から、利用制限をすべき、建物の一部と考えられています。
専有部分と共用部分について、詳細は管理会社や管理組合に聞いてみる、というのが良いと思います。