ちょっと陰謀めいたタイトルになってしまいましたが、これはよく出てくる話なので取り上げてみました。
サブリース契約、というのを聞いたことがあるでしょうか?
マンションについて、特に新築などでしばしば取り入れられている家賃保証型のサービスですね。
サブリースとは、『転貸借』のことで、「大家が管理会社に部屋を賃貸し、管理会社が貸借した部屋を第三者に転貸する」ことを意味します。
そして、特に新築マンションなどで、サブリースのサービスがついており、『家賃保証』『30年一括借上システム』などと広告されるのです。
家賃保証、すなわち空室でも家賃が入ってくる!
これが、安心の元となり、購入者が増えるという仕掛けです。
この契約をする人は「なんとしても、新築のマンションがほしい!」と思っているわけではないのです。
『老後の安心のため』とか『税金を払いすぎないため』と思っていて、つまるところ『人の不安を解消するシステム』として売っているのです。
そして、都心の新築のマンションなどは、居住用でなければ自分で見て購入する人は居ないのです。
サブリース契約となると、突然の退去や家賃滞納も関係なく入金がありますから、不動産を持っているのを忘れるくらいでは無いでしょうか?
ところが、突然問題が発生するのです!
例えば、都心の1等地のマンションを購入しますと、家賃が10万円くらいは当たり前です。
このマンションを、管理会社は8万円くらいで借り上げ、10万円の市価相場で貸し出します。
差額が利益となります。
もっと、差額が小さいケースもあるようです。
9万5千円で借り上げる!と言えば、貸主であるオーナーは利回りが良くなるので喜びます。
この差額が小さい、すなわち高値で借り上げるパターンでは、管理会社はどこで儲けるのでしょうか?
マンションの売値にたっぷりの利益が乗っているのです。
利益は先に出るように工夫されているのです。
予めサブリース契約が付いていることを理由に、かなりの高値で売り出します。
購入する側は、家賃保証がついているから安心などと高値でもすんなり購入されるのです。
例えば、9万円で借り上げて、8万8千円でしか貸せなかったとしますと、月々2千円のマイナスです。
10年続くと24万円の損になりますが、これを遥かに上回る販売時の『上乗せ』があります。
24万円は、織り込み済みの価格になっているのです。
新築マンションは、一番家賃が高く、一回でも入居があると、中古マンションとなります。
すると家賃の下落が始まります。
サブリース契約では、たいてい2年更新で家賃の見直しが起きます。
ポイントは「家賃保証はあるが、契約時当初の家賃額が保証される」とは限らないところですね。
5年位までなら、築浅(=築年数が少ない)物件として競争力がありますが、神通力があるのが5年位まで。
家賃の見直しが始まり、家賃保証があるものの、家賃は下落し続けますが、7~8年もすれば下がるのは当たり前、と言い訳もできます。
また、7~8年もすれば、売り出したときの営業マンは居なくなっていたりしますので、好都合。
サブリース契約の家賃も見直されてしまい、「この価格ではサブリース出来ません」となおなお家賃は下落してしまうのです。
この下落が、生活を圧迫するまでは、うまいことやられたことに気が付かないというのです。
早ければ4~5年、多くは7~8年で、大変な契約をしたことに気がつく、というのですが…
稿を改めてこの問題についてはいっそう詳しく書こうと思っていますが、苦情が多いため国土交通省も乗り出してきています。