リゾートマンションは投資対象になりうるのでしょうか?
リゾートマンションとは、まあ別荘のようなマンションと考えて良さそうですね。
宅建の本試験の選択肢にも登場したことがありますが、れっきとした不動産物件です。
特徴としては、価格帯が割安であると言えるでしょう。
☆ 中古物件なら数百万円 ~ 1000万円
☆ 新築物件なら2千万円 ~ 5千万円
こんなレベルで手が出しやすく、なにより物件がたくさんあるのです。
私の知人の女医さんが、ご両親のために親孝行と言われて購入されていました。
いわゆる別荘のような使い方をしておられますが、別荘との違いを書きます。
まず、建物の維持管理がとても楽で、要するに街中にあるマンションと同じなのです。
管理会社に任せる方式で有り、管理人を置く必要もなく、年配の方でも気楽に利用できるところがメリットです。
「これを賃貸できれば、かなり好条件で出せる!」
そんな考えが出るのも無理はないと思います。
しかし、不動産投資のプロの意見では、リゾートマンションは不動産投資の物件としては難しい、と言う評価です。
では、その理由を考えてみましょう。
先に書きましたように、物件そのものが多いので、ある意味『より取り見取り』の状態と言えます。
バブル期に、かなり乱立気味に建てられてので、価格もほぐれてきて購入したい人には良いと思います。
気に入るまで内覧を行いまして、これが良い、と思えば購入するだけで、気に入るまで探し回るスタイルで探しましょう。
1~数件のマンションを所有して、自分が使わない時期は貸別荘的に貸し出すことも不可能とは言い切れないと思います。
ですが、不動産投資のプロの評価は渋いようです。
それは、なぜでしょうか?
現在ですが、熱海・軽井沢・湯河原(舛添要一都知事出有名!)などで、リゾートマンションが次々と分譲されています。
サラリーマンや退職を控えた世代などが、こぞって購入し、首都圏(東京・名古屋・大阪など)へ新幹線通勤している人が多いようです。
なぜそうなるかというと、「借りるより買った方が安上がり」と思っている層があるようです。
また、リゾート期に借りる人が少ないのは、リゾートホテルという、強烈なライバルが出現しているからです。
居住性がよく、リピーターが付いているリゾートホテルが頭角を現しており、リゾートマンションを日割りで賃貸使用とする人が少ないのですね。
スキーリゾートとして有名な、越後湯沢は、新幹線の駅前にスキーゲレンデが広がるという、凄い仕組みで田中角栄元首相の威力を思い知らされます(笑)。
温泉をセットとした、リゾートマンションがバブル期には乱立したようですが、やはりピークが過ぎると、ゴーストタウンの趣があるとか。
投資家は、値崩れが酷いため手放すことができず、株で言えば『塩漬け』状態だと言います。
似たような現象が、新興住宅街でも多くあるようですので、注意を要します。
リゾートマンションと言えば、売り物のリゾート施設、すなわち温泉、スキー場、レストラン、ゴルフ場、スポーツジムなど、維持コストがかかる附属施設があります。
そしてこれらは、利用するかどうかにかかわらず維持費が発生しますので、コスト高の元となる可能性が高いのです。
空室が増えると、これらの附属施設は稼働しなくなる(そういうふうに契約されていることが多いのです)ので『使えない』ことになります。
賃貸ですと、借りたい人が集まらなくなり家賃の引き下げを余儀なくされるという、負のスパイラルに入ります。
結論としては、新築・中古に関わらず、人の動きに注目し、立地条件や人気に気を配りつつ、内偵・下見などを怠りなく、慎重にすべきだということです。