別記事でも『ワンルームマンション投資なら東京23区内』みたいな話を書きました。
そして、東京オリンピックまでは、都心人口も増え続けて行くでしょうし、その傾向は変わらないだろう、との意見がやはり多いです。
ですが、それ以外にも都心の人口集中をよそに『まだまだ勝てる』地域戦略を唱える方もあります。
まずは、今日的なアベノミクスから東京オリンピックまでの流れを考えて、投資対象を絞ってみようではありませんか?
東京都下を中心として、50戸弱のマンションを所有している方の現況を書籍で拝見しました。
一部を紹介してみようかと思います。
現在の賃貸入居者の状況を見まわしますと、半年で半分が入れ替わるような激しい状況にあるようです。
これは、大企業を中心として、リストラ ~ 再就職を繰り返すようなワークスタイルが確立されてきたのが原因という分析です。
労働人口の40%が非正規雇用者であり、人がまるで『生産機械』のように流動化する状況にあるのが理由、という解析のようです。
それゆえ人の入れ替わりが激しく、景気の良しあしに関わりなく年収200~300万円の若年層が回転しています。
普通は2年更新での賃貸契約が多いのですが、更新無しの2年退去が増え、短期間に入居者が入れ替わるのです。
過去には、平均約50カ月の入居期間が平均的だったようですので、かなりの短縮と言える状況のようです。
そして、その内訳ですが、1/3が外国人、1/3が生活保護、1/3は従来型の入居者のようで、雇用体系の変化も大きな要因のようです。
入居については、礼金ゼロ、敷金ゼロ、その上フリーレント機関ありと募集条件が変わってきたこともあります。
従来より、出入りがしやすくなり、引っ越しの手間・料金はかかりますが、希望の物件に素早く入れ替われることができるようになってきたと言います。
相変わらず都心3区の区分マンションの価格が、断然高騰し続けていることは事実です。
恐らく、少なくとも東京オリンピック(2020)までは、この傾向が維持されるのは間違いないでしょう。
現在、香港・台湾などからの買い付けがかなり多くなってきているのも事実です。
これは、北京オリンピックの特需で味をしめた層が、東京周辺にも目を凝らしている、というのがある程度正しいようです。
不動産会社も、売れれば誰に売っても収益になるのですから、相手は選んだりしていないのです。
それより、23区外に目を転じてみますと…
都市周辺はある意味『地方化』が進み、賃貸の需要が少なく泣く泣く家賃を下げる、すなわち空洞化しているのです。
東京都でありながら、青梅線の沿線などはすでに『地方』であり、需要が低落している状況があります。
アパートやマンションの経営立地だったところが『一戸建て』のファミリー層向けの物件の適地に移行しているのです。
それに対して、従来はやや敬遠されて来ていた『23区外』にも期待できる『スポット』が発生してきているのです。
例えば、武蔵野市にある吉祥寺などが良い例で、住みたい街ランキングを参照しますと、23区外にも人気の地域があることがわかります。
日本最大の不動産サイト SUUMO によるランキングをみると、住みたい行政区は鎌倉市を除いては23区がベストテンを占めます。
ところが、住みたい街となると23区外の幾つかが躍進します。
吉祥寺(1位 武蔵野市)、横浜(3位 横浜市)、武蔵小杉(6位 川崎市)などですね。
11位~20位にはもっと多く、鎌倉(14位 鎌倉市)、大宮(15位 さいたま市)、浦和(19位 さいたま市)、立川(20位 立川市)となります。
23区から見れば、立川はかなりローカルなイメージですが、新宿まで中央線中央特快で25分、目下中央線沿線では、新宿に次ぐ昇降数を誇るまでになっています。
これらの都市には、住環境が充実しており、生活のしやすさや地域の施設、ファッション度などが満たされているのです。
国土交通省の大臣は、小さい集落の強引な維持より地域のコンパクト化を目標としていると言います。
すべての地域に、生活に必要なすべてを備えされるのは無理なので、スポットを作ってそこにコンパクトに詰め込むことが将来的な狙いのようです。
(画像は、横浜市の夜景)