ワンルームマンションは、将来的に新しい流行が起きるのでしょうか?
新しいトレンドが生まれ、これまでの方式が古めかしく感じられるようなことがあるのでしょうか?
例えば、『平成』の時点でしばしば『昭和』を懐かしむような、それまでは最先端であったものが、レトロに感じられてしまうような変化があるのでしょうか?
大家として心配なのは、自分の物件が流行遅れとなり、気がついたら浦島太郎化してしまうことですね。
一般的には、首都圏の主要駅近辺など、人気落ちしない立地さえあれば空室のリスクは気にしなくて良いことになっています。
ですが、内部については流行に乗り遅れる、入居希望者に嫌われて空き室となることは有り得ないのでしょうか?
この辺りについて考えてみたいと思います。
マンションは、1981年(昭和56年)以降の新耐震基準マンションが目指すべき第一目標であることは明白です。
震災など、大規模災害に強く、中破・倒壊のおそれがないマンションは、住居としては最強と言えるからですね。
将来のトレンドについて知りたくば、やはり過去について勉強してみるのも良いでしょう。
マンションの歴史を調べると1990年(平成2年頃)が一つの目安となるのです。
それはなぜかと言いますと、1990年頃からマンションのコンセプト、すなわち内部構造が大きく変化したのです。
現在では、比較的当たり前になっているのですが、ユニットバスにトイレが同居するタイプのマンションはこの時期から衰退の一途をたどります。
変わって登場したのが、トイレ・バスが別設置のマンションで、専有面積がかなり広く取られる設計となって行きました。
簡単に言えば、今日のマンションのスタンダードが築かれた時期と言えそうであり、壁に当たりそうな狭いトイレや足が伸ばせない 狭苦しいバスも少なくなりました。
それまでは、居住面積のみ評価していた風潮が変わり トイレ・バスの拡大より専有面積が大きく広がったのです。
ゆとりのある住環境は、単に部屋面積の広さだけではないことが広く認知された時期と言うことになるでしょうか?
90年代のそれも後半に入るとバブルの影響も収まりをみせ「とにかく量産する」「安く建てて高く売る」などのバブル方式は方向転換を迫られることになります。
「大量に売りさばく」方向から、長く資産として使える方向を志向するようになります。
なかなか売れない時代の到来となれば、少しでも質を上げることが目標となっていったのでしょう。
経済の減速が、業界全体の姿勢も変えていったと言って過言ではないと思います。
90年代の 特に後半に見られるこれらの変化を見ると、将来にもまた同様な『トレンド変化』が起きるのではないかと心配される人もあるかも知れません。
ですが、心配には及びません。
とにかく90年代のマンションのスタイルは機能や設備、構造面などでも ある程度出尽くしたと言えるまでに進化したのです。
進歩した部分が標準とされるまでにもなっていますので、これはとりもなおさず 最終形に至ったと考えても良いようです。
現存マンションが、大きく時代遅れ・レトロ化することはかなり考えにくいと言うことになるでしょう。
また、従来にはなかった追加機能として、テレビカメラが付いているオートロックや防犯カメラの常備も標準となっています。
インターネットはもちろん、宅配ボックスなど装備できるだけの追加機能は既に飽和していると言えます。
ある種 未来形のところまで、進みきったと言うのが、現行マンションの あり方なのです。