ここでは、ある大家さんの体験談を書いてみることにしましょう。
これはアパートの例ですが、不動産管理のついての逸話として教訓的であり役に立つと思います。
ある大家さんですが、入居率が低く半空(いわゆる入居率5割前後の状態)で喘いでいたようなのです。
ところが、物件周辺のフィールド調査を敢行された結果、同水準にも関わらず満室経営に近いアパートもあるようなのです。
そこで、大家さんが一念発起しまして、その原因調査に乗り出されることになりました。
その大家さんは、うらやましくもなぜか満室経営ができているアパートが自分の物件周辺にいくつかあるので、それらを徹底的に研究しました。
住民以外の人間が、鍵なしで近づける限界のところまで入り、内装や間取り、郵便箱周囲の状況、ゴミ置き場の様子などを徹底的に取材しました。
周辺のアパート群が”半空”状態にも関わらず、満室経営できているアパートの秘密とは何だったのでしょうか?
大家さんがたどり着いた結論は「満室経営の源は管理会社にあり」ということでした。
管理会社が優秀であり、共用部分の清掃ができていたり、入居者に対する掲示板他が充実していたのが特徴だったのです。
別記事にも書きましたが、管理会社というものは、キチンとしているか、完璧に手を抜いているか、2つに1つみたいなところがあるようです。
別セクションの余剰戦力というより、左遷的な扱いで、あまりやる気も能力も疑わしい人がボツボツやっているような管理部門だったりするのです。
キチンとやっている管理会社は、清掃から入居者に対して掲示板などで情報を周知徹底しているので、体感的な安心感が全然違うのだと大家さん気がつきます。
そこで、大家さんは管理会社の変更に踏み切ることになります。
従来の管理会社は土日祝日が定休日だったと言います。
定休日には、緊急時の対応のために、当番の社員が自宅で待機していたような状態だったのです。
ところが、担当者によっては連絡がつきにくいことがあり、虎の子の内覧者を逃していたことが判明しました。
考えるまでもないのですが、入居希望者が仕事を持っている場合は、内覧はどうしても土日など休日に回る可能性が高いわけですね。
ところが、その土日を逃しているのですから、入居率が上がらないのも無理はない、ということになります。
平日より、むしろ土日にスタンバっていてもらい、積極的にドンドン内覧をすすめてもらわなくては困るのです。
ですが、物件を購入した際、それまで物件を管理していたのが、売却した不動産業者だったりすると、管理もそのまま、と言うことが少なくないのです。
その業者が、管理業務に熱心であれば良いのですが、そうとばかりとは限らないのが困ったことなのですね。
その大家さんは、仲間の成功している大家さんの意見を参考にしながら、管理会社別に、物件の様子を偵察に行ったのですね。
すると、なるほど、管理会社が変われば管理も変わる、ということで、やはりキッカリしている管理会社が見つかりました。
そして、その管理会社に変更したところ、2ヶ月半程度で”半空”だった物件が簡単に満室になったというのです。
単純に家賃収入が倍になったのですが、それまでは内装を替えても家賃を下げても一向に”半空”だった物件が満室経営できたとは!
大家さんの徹底した研究が実を結んだケースと言えそうですが、どうも上手くない管理会社はオーナーの一存で変更することができるのです。
業界が、あまり親切でないのが通例のまま、長い歴史となっているのかも知れませんので、大いに考える余地がありそうです!