マンション管理士の資格は平成13年(2001)に始まったばかりであり、不動産の資格として歴史の古い『宅建』などと比べると比較的新しい資格です。
マンションを管理する『管理業務』の専門家が、管理業務主任者とすれば、マンションの管理組合に寄り添うのが『マンション管理士』なのです。
この記事では、不動産投資に役立つ資格としての『マンション管理士』について書いてみます。
要するに、マンションは、管理会社と管理組合で支えられているのですが、管理会社は法人、管理組合はオーナーの集まりですね。
要するに、マンションのオーナー=所有者の集まりが管理組合であり、その管理組合のアドバイザーとして活躍するのがマンション管理士ということです。
マンション管理士が2001年に施行された『マンション管理適正化法』に基づき設置されたのですが、それには理由があります。
マンションって、全国的にはどれくらいあるかご存じでしょうか??
実は500万戸ちかくあり、実はかなり老朽化が進んでいると言われています。
バブル期に建てられたマンションが、そろそろ古くなってきているのもありますが、500万戸のうち4分の1は、築20年を越えているのです。
そして、この10年のうちに100万戸のマンションが築30年越えとなり、外壁工事ほか大規模修繕が必要となるのは確定しています。
管理組合は、所有者の集まりで有り、マンションの建築には疎い素人であることが多いので、彼らが困った際にベストの選択を教授する専門家が必要になるのです。
管理組合が直面する問題としては、マンションの構造上の問題(建築・技術てきな問題)もさることながら、法律的問題や住民トラブルなどにも対処できなくてはなりません。
先の項目で書いたように、マンション管理士は、近い将来 必要とされる資格であることは間違いないでしょう。
現在、マンション管理士は登録者数は1万5千人であり、実務に携わっているマンション管理士はごくわずかといわれています。
今後は、かなりの実数が必要とされる資格なのに、まだまだかなり不足しているのがマンション管理士の状況のようです。
別の項目でも書きましたが、マンション管理士 ⇒ 宅建士 ⇒ 管理業務主任者の順番で、資格取得はしやすくなっています。
合格率が、難易度のすべてではありませんが、マンション管理士の合格率が8%付近と最も小さい数字になっています。
難易度が低いと言われる、管理業務主任者の資格を取りますと、5問免除の恩典が受けられます。
先の記事に書いたように、マンションを管理会社側からみているのが、管理業務主任者、管理組合側からみているのがマンション管理士なのです。
ということは、同じような命題に対して、見る方向が違うだけで、出題範囲は8割がた同じところなのです。
そのため、ダブル受験や同年受験なども組まれており、人気資格でもある『宅建』とのセットももくろむ受験生があるわけですね。
マンションのオーナー側からの視点としては、マンション管理士がありますと、所有者としてもかなり視界が開ける感じとなります。
特に、築20~30年には大規模修繕工事が控えていることを視界に入れますと、かなりの難関とは言え、マンション管理士もあれば大変心強いということになるでしょう。
宅建士の『重要事項の説明』とか、管理業務主任者の『管理委託契約書への記名押印』は独占業務といわれ、この資格がないものには出来ないことになっています。
マンション管理士は、宅建士、管理業務主任者と違い、ユーザー側に立つ資格ですので、独占業務がないのです。
しかし、だからといって需要がないわけではありません。
マンションの所有者としては、むしろあれば大変便利な資格と言えそうです。