別記事にも書きましたが、入居者候補としては、学生さんも有力な存在であることは変わりありません。
ですが、学生ならではの問題点も気にとめてなくてはならないと思います。
その昔は、娯楽が少なかったこともありますが、居室に集まっての『コンパ』という名の飲み会がありました。
近隣住民にとっては、はなはだ迷惑なイベントだったのですが、最近の学生さんはかなり大人しい(草食系?)ので少なくなったとは聞いています。
ですが、仲間を部屋に呼んで深夜まで騒いだり、部屋をキレイに使わなかったり、ゴミの分別収集に協力的でなかったりして近隣住民に迷惑をかけることもやはりあります。
管理会社やオーナーに苦情が寄せられることもありますので、これはある程度は覚悟しておかなくてはならないことです。
また、学生さんに特有の事情があるのも確かです。
入学当時は、地味に大学に通う生活で始まるのですが、1ヶ月もすると、大学で『洗脳』されてくるのでしょうか?
アルバイト活動に精を出し、大学にはほとんど顔を出さなくなるような学生も少なくありません。
真面目に勉学されている学生さんにも、自ずとライフスタイルの変化が生じるのです。
ゼミや実習・実験などでかなり遅くなることが多くなったりします。
家族が遠隔地で、すぐに駆けつけることができない学生さんについては、体調不良で困っているなどはすぐ相談するように、と連絡先を伝えておきましょう。
大事件に発展してからでは、取り返しが付かなくなります。
親御さんの身になって『預かっている』スタンスとしては、問題は起こしてもらいたくない、警察沙汰などもってのほか!と思ってはいるのですが…
やはり、周辺の情報にも耳をそばだてて「最近、あまり顔を見なくなった」「自室にいるのだが、ほとんど出てこない」そんな情報には注意が必要です。
大学でのカルチャーショックなどによる単なる引きこもりも困りますが、精神病を発病して外に出られなくなっていた、などの話もしばしば聞きます。
大学に連絡をするのも一つの方策ですが、あまりに病的でどうしようもない場合は、地域の保健センターや保健所なども活用しなくてはなりません。
さて、学生さんを入居させたケースを、不動産賃貸の面から考えてみます。
一般的には、専門学校、短大、大学などの学生さんは2~4年の学期が済むと卒業しますので、回転は早いことになります。
その都度、礼金・更新料が収入として見込める期待があります。
(中には、留年などで思わず長く済んだり、社会人になっても住み続けてくれる人もありますが…)
学生向けとして大学に売り込んでおけば、コンスタントに紹介が来ることもあります。
入居者が退去する際、後輩の学生を紹介してくれたりする場合もあります。
問題なのは平成19年(2007年)以降 “大学冬の時代”に突入し、学生数が全国的に減少していることです。
新入生の合格発表が終わり、3月末までに入居がない場合、下手をすれば1年間 空室になってしまうリスクがあります。
また、フリーレントが広まっており簡単に新規入居ができる時代になりましたので、途中での引っ越しも以前よりは増えた印象のようです。
大学が密集する文教地区に、敢えて社会人専門の展開をして成功することもあります。
大学生限定の賃貸経営をしたところ、地域の活性化につながったというパターンもありますので、社会貢献として学生専用にするのもありかも知れません。