ワンルームタイプのマンションの長所ばかりを書いてきた感じですが、ファミリータイプのマンションのどこが良くないのでしょうか?
今度は、少し切り口を変えて、ファミリータイプのマンションの短所を書いてみたいと思います。
目次
ワンルームマンションについては、入居者は原則一人ですので、意思決定は一人の意思できまってしまいます。
繁忙期になりますと、人気物件ほど早く埋まってしまいますので、実際の物件は見ずに 物件の平面図だけ確認して決めることすらあるのです。
言い換えれば、空室ができてもすぐ埋まり、たいへん回転が良い、ということも言えると思います。
そこへ行くと、ファミリータイプのマンションは、複数の意思決定者で決まります。
間取りといい、賃貸料金といい、申し分ない!と父親が主張しても「学校から少し遠い」などの意見がでて割れます。
挙げ句の果てに「ちょっと考えさせて…」ということになります。
客付き不動産店の営業マンにしても、パッパッと決まればそれが即、実績になりますので、より前向きに取り組めると思うのです。
営業成績の棒グラフなどを掲示してハッパをかける営業所がありますが、営業マンは成果主義で評価され、スピード勝負なのです。
また、引っ越し・入居についても、年度末の転勤・進学などを期に置きますので、需要のピークを逃すと後が大変です。
猛暑の真夏や厳寒の冬期には需要が下がりますので、時期を逃すと痛い目に遭いやすいのですね。
ファミリータイプのマンションの弱点は、まだあります。
ワンルームで内装リフォームを行うと、1週間から10日で終了します。
これが、ファミリータイプのマンションとなりますと、最低でも2週間以上は要し、空室期間が長いのです。
そして、リフォームが完了すると、短い期間で客付けしなくてはならず、そこでチャンスを逃すと、また来年!となってしまうことが少なくないため 厳しいわけです。
厳しい話ながら、ファミリータイプのマンションはまだ困る点があります。
維持費というのは結局、家賃収入から支払われますので、家賃を値引きしたのと同然の経済効果が発生します。
退出時の内装リフォームが、結構かかりますが、これは部屋面積に比例して増加します。
内装の項目を挙げてみると、クロス(壁)、カーペット、フローリング、網戸・ふすま・障子などの張り替えに気がつきます。
これらは、間違いなく部屋の総面積に比例して増えていきます。
また、エアコンの使用継続期間にも関わる エアコンクリーニングも部屋別に行うことになるでしょう。
単純に1回辺りのメンテナンス料を比較するとワンルームマンションが10万円として、ファミリータイプのマンションなら20万円超となります。
これも長い目で見れば、あまりありがたくない出費と言うことになるでしょう。
ファミリータイプのマンションは値が張る割には家賃が上げられないのです。
広さが倍だから、といって家賃も倍にはなりません。
しかし、先に書いたように、維持費は倍以上を覚悟しなくてはなりません。
「案外、割安じゃないか!」などと、つい飛びつかないように気をつけなくてはならないのです。
自分が住むという基準で選ぶのではなく、入居希望者の視点でどう見えているか?
ここに注目しなければならないと思うのですね。
結論から言うと、投資対象としては、ワンルームマンションがファミリータイプのマンションをいろいろな面で上回っているのです。