不動産賃貸をしてみますと、住民からあれやこれやのクレームが寄せられます。
「アパートのドアの外が暗くて不安」
「鍵の調子が悪くて、施錠しないまま外出することがある」
「水道の水圧が低くて、シャワーの勢いが低い」
何だかんだと「問題が提起され」て、大家にとっては出費がかさみそうな話ばかり。
「もっと大人しく入っていてくれないかな?」
そんなことを考えたりします。
夜間の騒音など、近隣からは苦情が多い住民ながら「自分の言いたいことはすべてさらけ出す」など、実に困ったやつだったりします。
こんなとき、どう考えるか?どうすれば最も合理的かつ建設的に解消できるのでしょうか?
目次
結論から言うと、物件には住んだことがある人しかわからない、問題点が現れるのです。
例としましては…
『日当たり良好』がウリの物件だったが
「それほど、日当たりが良いわけではなかった」とか
「日当たりが良いのは午前中だけ」とか
「日当たりが良いばっかりに夏は暑くて冷房代がかかる」など
それこそ住んでみて初めて分かる、賃貸には重要なポイントが隠されています。
たいていの大家は自身で住んだことがないわけですので、貴重な意見が含まれていることになります。
つまり…
とにかく何でもかんでもクレームをつけてくる、いわゆる『クレーマー』は別としまして、とりあえずは丁寧に聞いてみましょう。
要するに、クレームは「物件が期待に沿えていない」「住人の要求水準が少し高い」などの現れなのです。
先の「アパートの入り口が暗い」ですが、これも放置しておくと、犯罪の温床になりかねないのです。
住民が「何だか気味が悪い」と感じるのは、やはり雰囲気が良くない現れということでしょうか?
人気のない一角に、薄暗がりの住居となりますと、犯罪者としてはうってつけの状況だったりしませんか?
(事件があったりすると、警察は周辺の不動産管理者に夜間の照明の強化を推奨をしたりするようです)
クレームを放置していると『事件物件の仲間入り』という、手痛いしっぺ返しとなりかねません。
オーナーとなりますと、ともすれば『上から目線』で「貸してやっている」スタンスになりがちなのです。
ですが「サービス業である」「クレーム産業である」との意識を持ちましょう。
クレーム処理は、賃貸の本業である!と認識できれば素早い対応ができるようになるのではないでしょうか?
クレームの大きな比率を占めるのが設備関連のトラブルです。
給水・給湯・エアコン関連など、弱気住民の力では何ともしがたいトラブルが大家に寄せられるのです。
頼られているのですから、なるべく迅速に対応してあげることに尽きるのです。
満室運営ができにくくなるのは、退去の比率が高いからでもあります。
トラブルの際に、すぐに対応してあげると「サービスが いいトコロだから…」退去もされにくくなるのではないか?
これまでの対応を大いに反省しつつ「ピンチをチャンス」に変えるように工夫をしてみましょう。
退去者が出た際は、大家が室内を見られるまたとないチャンス!
水回りや照明・エアコンなどの様子を調べられる、またとないチャンスです。
そして、不調のエアコンなどを新調するにはここがチャンスなのです。
「新品のエアコンが付いている」は、入居者を考えている内覧者に大きくアピールするのです。
壁のクロスなども、あまり古びた感じですと、入りにくくなるのです。
退去者が出た際は見回る機会ととらえて、一度は入ってみましょう。
そして、退去者にはアンケートなどを配布して、意見を聞くのが良いでしょう。
アンケートは、退去時に部屋に残しておいてもらうという感じで、なるべく○×や『点数化』で答えてもらうことにします。
長く住んでもらったときにわかる、貴重な意見ですので、ぜひお願いするようにしましょう!